鍵となる分子をのぞいてみよう
吉清研究室が扱う分子を、実際の3Dデータで見てみよう。
ドラッグ:回転 スクロール:ズーム
炭素 C
酸素 O
水素 H(省略)
二重結合
—
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—
二重結合数の比較
C16:0 パルミチン酸
パーム油・動物性脂肪などに豊富
パーム油・動物性脂肪などに豊富
0
C18:0 飽和脂肪酸
バター・カカオ脂などに豊富
バター・カカオ脂などに豊富
0
C18:1 オメガ9
オリーブオイル・なたね油などに豊富
オリーブオイル・なたね油などに豊富
1
C18:2 オメガ6
大豆油・コーン油などに豊富
大豆油・コーン油などに豊富
2
C18:3 オメガ3 ★
えごま油・亜麻仁油などに豊富
えごま油・亜麻仁油などに豊富
3
なぜ形が大事?
二重結合が増えるほど分子が「曲がり」ます。この曲がりが細胞膜をやわらかくし、オメガ3が持つ健康効果の源です。3Dモデルを回転させて形の違いを確かめてみてください。
α-CD
6糖・空洞径 4.7〜5.3Å
小さい分子向け
小さい分子向け
β-CD
7糖・空洞径 6.0〜6.5Å
最も広く使われる
最も広く使われる
γ-CD
8糖・空洞径 7.5〜8.3Å
えごま油の脂肪酸を収納
えごま油の脂肪酸を収納
★ 研究室で使用
ドラッグ:回転 スクロール:ズーム
炭素 C
酸素 O(外側:親水性)
水素 H(省略)
γ-シクロデキストリン(γ-CD)
C₄₈H₈₀O₄₀ — ブドウ糖8個が環状に結合
私たちが使用するγ-CDは、3種類の中で最も空洞が広く、えごま油に含まれるα-リノレン酸(オメガ3)の脂肪酸鎖をすっぽり包み込める唯一のサイズです。
γ-CDの実際の分子モデル(ファンデルワールス半径表示)
真上から — ドーナツ状の空洞
横から — 筒状の深さ
赤 = 酸素原子 灰 = 炭素・水素原子 / 実際の3D分子構造計算データより
サイズの一致が鍵
α-CDでは空洞が小さすぎ、β-CDでもまだ狭い。γ-CDの空洞径(7.5〜8.3Å)がはじめてえごま油の曲がった脂肪酸鎖を効率よく取り込める大きさになります。接着剤も共有結合も不要——ぴったりサイズが合うだけで「包接」が起きます。
これが「包接」の実際の姿
γ-CDの空洞にα-リノレン酸(オメガ3)がすっぽり入り込んだ状態の3D分子モデルです。2色で色分けされています——回転させてカプセルの中をのぞいてみよう。
ドラッグ:回転 スクロール:ズーム
γ-CD の炭素 C
γ-CD の酸素 O
α-リノレン酸 の炭素 C
α-リノレン酸 の酸素 O
γ-CD / α-リノレン酸包接錯体
γ-CD(C₄₈H₈₀O₄₀)+ α-リノレン酸(C₁₈H₃₀O₂)
コンピューター上で計算されたエネルギー最適化モデル。γ-CDのドーナツ状空洞にALAの炭素鎖が入り込み、COOH(カルボキシ基)が外側に出た構造をしています。この「包接」により、油が水になじみやすくなります。この作用も、腸での吸収率が上がる理由と関係するかもしれません。
包接によって何が変わる?
①液体のえごま油が粉末になる ②酸素と触れにくくなり酸化しにくい ③腸の水っぽい環境でも分散しやすくなり吸収率が向上——この3つの変化が研究の核心です。